Vol.2
発酵と熟成で鮭の旨みを凝縮。北海道で40年以上作り続けている鮭の「山漬(やまづけ)」
当社の原点、鮭の山漬(やまづけ)
山漬とは、魚を山のように積み上げ、上下を入れ替えながら数日かけて塩漬けにする北海道の伝統的な製法です。この製法には鮭の保存性を高める効果と共に、旨みを引き出す効果があります。
発酵と熟成を経た山漬を塩焼きにして食べると、塩気の向こうから天然のアミノ酸の旨みがじわーっと口中に広がり、後味はほのかに甘く感じられます。
当社では創業以来アイヌの人々や開拓者達の製法をそのまま受け継ぎ、天然の鮭の美味しさを引き出す山漬を作り続けています。
新巻鮭と何が違うの?
塩漬けにして、乾かして保存するという点では山漬も新巻鮭も似ていますが、新巻鮭に比べると山漬の方が時間と手間を必要とします。
山漬はその名の通り「山と積み上げること」で重しになり、鮭の水分がしっかり抜けることが大きな特徴です。水分が抜けて熟成された鮭は目方がかなり減少し、漬け込む前の6割程度(4kgの鮭の場合→約2.5kg)にまで落ちます。目方が減少すればするほど旨味がぎっしりと凝縮され美味しい山漬になるということです。天然の防腐効果の中で、たんぱく質がアミノ酸へと変化し「うまみ」になる。先人の知恵はすごいですね。
創業以来使い続けている木樽で手づくりする山漬(やまづけ)
当社の「“銀聖”山漬」はすべて手づくりで仕上げています。
【およそ100本に5本の希少価値!「日高ブランド鮭“銀聖”」についてはこちら】
薄氷の張る11月の寒い時期、新鮮な鮭の内臓を取って洗い、ミネラル成分の含まれた自然塩をたっぷりまぶしたあと、創業以来40年以上使い続けている木樽に層状に積み上げます。
使い込まれたこの木樽には、発酵に必要不可欠な「好塩酵母」が住み着いています。酵母ははじめからたくさんあるわけではなく、山漬を作り続けてきたことで増えてきたものです。
その後、上下を入れ替えながら一週間漬け込み、ゆっくりと発酵、熟成させます。
そして床変えをして形を整え塩分を均一にしたら、日高山系の涌き水を使い、数日かけて塩抜きをします。この塩抜き加減がなかなか微妙で、塩を抜きすぎるとせっかくの旨味が一緒に抜けてしまうし、逆に足りないと塩辛すぎる…ということになります。ちょうど良い塩加減に見極めるのが長年培われた漁師の技なのです。
最後に、えりもの厳しい山背(西風)でおよそ3日間「寒風干し」にし、旨みをぎゅっと凝縮。こうしたひとつひとつの手間と時間をかけて、山漬は一般の塩鮭とは全く違った味わい深い美味しさに仕上がります。
ご贈答用には、1匹ずつ丁寧に化粧箱に箱詰めし、お届けしています。
北海道えりもの網元が作る、昔ながらの塩鮭、伝統の味わいをお届けいたします。
2002年度北海道加工食品フェア 北海道知事賞受賞
2003年度優良ふるさと食品中央コンクール 農林水産大臣賞受賞
冷凍の山漬が届いたら
冷蔵庫でゆっくりと自然解凍します。
【切り方のコツ】
完全に解凍せずに、半解凍の状態で切身にします。
山漬は熟成による性質で身が粘着質になっているため、全解凍してから切ると包丁に鮭の身がくっついて切りにくい場合があります。
【焼き方のコツ】
解凍後、中火でしっかりと焼き上げてください。
皮もしっかり焼くと香ばしく美味しくお召し上がりいただけます。