Vol.5
天然の鮭と養殖の鮭は何が違う?
普段、みなさんが食べている鮭は天然ですか?それとも養殖ですか?
当社では天然の鮭にこだわって販売・加工をしています。
今日はその理由について少しお話します。
日本人は輸入(養殖)の鮭を多く食べている
現在、日本国内の鮭は輸入量が国内生産量を大きく上回っています(※1)。
何気なくスーパーで鮭の切身やスモークサーモンなどを買った場合、その原料は輸入ものである確率が高いです。
輸入の鮭のほとんどは北欧のノルウェーや、南米のチリで養殖されたサーモンです(※2)。養殖のサーモンは脂の乗りがよく、天然の鮭に比べて安価なので、外食産業でも広く使われています。
※1 サケ・マスの輸入量は国内生産量のおよそ1.8倍(2012年時点)
※2 輸入サケ・マスは、生鮮冷蔵のうち90.1%がノルウェー産、冷凍もののうち80.8%がチリ産(2012年時点)
出典:東京税関調査統計課データ http://www.customs.go.jp/tokyo/content/toku2511.pdf
天然と養殖、どう違う?
さて、天然でも養殖でも鮭は鮭です。生物化学的に言えば明確な違いはありません。
しかし当社ではその違いを次のように考えています。
1.味の違い
まず、天然鮭と養殖サーモンは味が違います。
天然鮭は脂質がサラッとしていてしつこくなく、身はやや筋肉質で味が濃く感じられます。一方、養殖サーモンは脂質がとても多く、脂の乗りは良いのですが、鮭本来の味がぼやけてしまっています。身は脂質によって少し柔らかくなっています。
最近は「とろサーモン」など脂が多ければ多いほどおいしいとされる風潮がありますが、鮭の網元でもある当社としてはやはり天然の鮭の味が「本当のおいしさ」だと思います。
2.健康への影響
鮭は良質のタンパク質が豊富で、タンパク質の消化・吸収は他の多くの魚よりも優れているといわれています。また、鮭にはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタンエン酸)が多く含まれており、これらの脂肪酸は学習・記憶能力の向上に加え、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病などの生活習慣病(成人病)の予防効果があると言われています。さらに、コレステロールの代謝促進や肝臓強化に優れた効果を発揮するタウリンも豊富です。
その他にも、骨粗鬆症や骨軟化症の予防に効果があるカルシウム、代謝を促進するアルギニン、皮膚の免疫向上に役立つビタミンA、ビタミンB群やD、Eなども多く含まれ、血行を促進し、炎症を鎮め、アレルギー肌、乾燥肌の促進を保護し、お肌の栄養補給、美肌作りに働く食品としても注目されています。
さて、こんなに多くの栄養素を持つ鮭ですが、養殖のサーモンはどうでしょうか。
生物化学的には天然も養殖も同じ鮭であることに変わりはないので、栄養素も基本的には同じと言えます。しかし、養殖のサーモンにはこうした天然の栄養成分のほかに、化学物質など多くの心配な要素が含まれています。
養殖サーモンの問題点
まず、養殖サーモンのエサにはトウモロコシなどの穀物に加え、豚肉や鶏肉などが使われます。天然の鮭はこうしたものを食べる事はありません。この時点で自然に反した不自然な魚になってしまいます。
そして、そのエサにはさまざまな化学物質が混ぜられます。感染症を防ぐための抗生物質や合成ビタミン、身の発色を鮮やかなピンク色にする着色料などです。
他にも養殖のサーモンにはダイオキシン類やPCBなどの汚染物質も含まれており、それらの有害物質は全て脂肪に蓄積されます。それらの有害物質が人体に蓄積された場合、ガン・記憶障害・ADHD・自閉症・免疫障害などを引き起こす危険性があると言われています。事実、2013年6月、ノルウェー政府は「養殖サーモンなどの脂が多い魚は、若い女性や妊婦は週2回を超えて食べないほうがいい」との通達を出しています。
安心しておいしい鮭を食べてほしい
このようなことから、当社では天然の鮭のみを使用し、販売しています。
近年は世界各地で開発が進み、天然ものだからといって自然も海も化学物質の汚染のおそれがゼロとは言えません。それでもできるだけ自然のものを、自然なままに食べることを大切にし、北海道・日高の海とともに生きていきたいと思います。