株式会社マルデン
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マルデン特集記事
     
大島浩氏
伝統技法の中に本物の味
   
  (社)北海道食品産業協議会・技術顧問を務める大島浩氏は、秋鮭山漬けを長年にわたって見つめてきた一人。

その見識は伝統的製法に科学の目を注いできた大島氏ならではの知恵がふんだんに盛り込まれたもので、最近、山漬けが見直される中で”本物とは何か”を示したその理論は、多くのことを示唆している。

 
  戦後50年途絶えた技術
 
 
塩蔵品の製造において、伝統的な製造技術というものは重視しなければならないもの。
しかし、戦後50年間、途絶えてしまっているのが現状だ。

専売公社の純粋な塩化ナトリウムをまぶして冷凍したものを、いわゆる新巻と称し、非常にプアなものをつくってきた。
今、輸入のベニ、トラウトに押されて、道産秋サケが低迷しているのは、五十年来の甘えから来ている気がする。
     
 
鮮度保持は最重要ポイント。

鮮度低下にはいくつかの過程を踏むが、漁獲時から魚体温の上昇が始まることに注目しなければならない。その要因は、網起こしの際暴れることと死後硬直で筋肉が収縮すること。
秋鮭の体温は水温より少し高い 程度だが、二度ぐらいは 簡単に上がってしまう。  

急激な体温上昇が生じるのは、産卵期の秋鮭が筋肉内に多くのエネルギー物質を持っているため。川をそ上するだけのエネルギーを蓄えている。

筋肉も車のエンジンと同じで、運動に六割使われれば、残りの四割が熱エネルギーとして消費されることになる。


鮮度の低下を防ぐために大量の氷が必要なのは、こうしたメカニズムによる。
 

HACCPによる管理では、菌などを一律に除く方向に向かいやすい。
だが、有害微生物を有益な微生物で抑えるのが、伝統食品の基本的な衛生管理の方法。
だから、微生物も大切にしなければならない。

このほか、魚が尿を皮膚から排泄することもチェックしなければならない。

海産魚の場合、トリメチルアミンとして出され、魚特有の生臭さの元にもなっている。肝臓に相当する血合いで分解されるため、これも取り除かなければならない。
 


製品の良し悪しは、つやが鍵(かぎ)。

食品の場合は特に大事な基準で、例えば簡単なお吸い物でも、つやがピシっといいのは、出来が良い証。顕微鏡で見ると表面の分子がきれいに整列している。
悪ければ乱反射してボケた色合いになってしまう。
     
 
熟成とあん醸が重要に

 
山漬けの資料を見ると、熟成、庵(あん)醸という言葉がよく出てくる。
熟成は製造工程中に成分をならす、旨(うま)みを増すことで、出来た製品を取って置くのが庵醸。この二つは分けて考えられるが、ともに旨みを醸成する重要な作業だ。


また、微生物の発酵工程がなければ本当の塩蔵にはならない。これまでの塩をかけて冷蔵庫に入れただけのものは、発酵工程がまったくなかった。

これでは誰も食へなくなるのは当然。このやり方 で五十年も来たのは、やはりつくり手に責任があったのだろう。
 

たくあん漬けを例に取ると、原料の大根も塩も糠も同じでも家々で味が違う。これは微生物の発酵のなせる技。スローフードとしての秋鮭塩蔵にも同じ原理が働く。ここでは、しよう油や酒などの酵母とは異なり、塩の強い所でなければ発育しない好塩酵母が働く。
 
     
 
塩蔵法における要点を三つ挙げたい。

一つは、食塩で原材魚の水分を低下させ、食塩濃度を上げること。防腐する作用をもつ。

二つ目は、魚類が持つ酵素の働きで、筋肉たんぱく質を分解して旨みの元であるアミノ酸をつくり、好塩酵母により魚体の表面のトリメチルアミンを分解すること。

もう一つは、食塩の働きの違いで、塩化ナトリウムは筋肉タンパク質を溶解する作用があり、逆にカルシウムやマグネシウムは、凝固させる方に働くということ。
 

伝統的な山漬けの製法で、おいしいとされるものをまとめる。

塩の仕込み方は、基本的にサケと塩を交互に重ねる「座切り法」を取る。圧力を掛けることは、浸透圧の関係で塩分を加えるのと同様の脱水作用がある。一平方センチ当たり一キロの圧力が、食塩一%に相当する。
つまり高く積むと面積当たりの圧力が増すことを押さえておいてほしい。
   
 
旨い山漬けに好塩酵母

 
重要な役割を果たす好塩酵母は初めからたくさんあるわけではない。
昔は、むしろや木箱など工場内に生息していた。
鮭を積むと、そこに入りこんで三日もするとびっしり発育する。おいしい山漬けのできる所は、いい酵母が住み着いているということ。この菌の繁殖のためには、微量の糖が必要。ショ糖などでもいいが、ブドウ糖が一番いい。

 おいしい山漬けをつくるためには、このほかにさまざまな条件がからんでくる。うまく行かない場合は、それらのバランスを変えてみるのがいい。
     
  それらの条件について、列挙すると、漬け込み場所は工場内の中央で。容器は使い慣れた木箱、むしろを。温度、湿度が安定し微生物が定着する。 清浄な空気が酵母に必要。
水分は酵素作用を促進するが、多いと旨み成分の流出も。塩種類ごとに清け込み方が異なり、なるべく同じ物を使うと安定する。

 魚の積み重ねは高くても一メートル程度にし、上下での品質の差の解消、脱水の促進、空気の入れ替えのため積み換える。温度は五度C以下では熟成は進まず、十度C以上では雑菌の繁殖、脂肪の酸化などの弊害がある。一定化にはむしろが便利だ。
     
   
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北海道日高 鮭のマルデン